同じ色の黄色いじゅうたん
枯葉のぬくもりは
きっと 今だけのお楽しみ
夕方も近づき
人出もまばらになる頃
これからが僕らの時間
みんなのご飯が終わるころ
そっと始まる その時間を
心待ちにしている小さなお客さま
春を探して迷い込んだ
かすかな香りを
見つけたのかな
そんなに急いでどこ行くの。
いつものんびりしてる君だから
きっと大事な用なんだね。
寂しくったって 孤独だって
ほんの少しの光を探して
生きている
まだ 束の間の温かさ
それでも 少しずつ
世界は色付きはじめる
空と無機質、そして猫。
いろんなもので
世界はできている
目に映るものすべてが 新しく見えた
君の手にかかれば
なにもかもが色付いた
春一番が吹いた日
枯葉の落ちたこの場所も
もう少しで 桜色に変わる
みんなとちょっと距離をおいて
孤高のボス猫は
なんだかちょっと さみしそう
すぐに伝わらなくても
じんわり分かる
ぬくもりも いいと思う
はじめましてから 随分経った
お友達はいなくなった
君は 母になった
なにがあっても
乗り越えられる
そんな決意をした日
日が落ちてゆく
理由もない寂しさを
君も感じているのかな
どんな未来が待っているんだろう
そんなことを考える
冬の終わり
玄関のドアを開けたら
ちょこんと座った君と
目があった
ずっと こんな日々が続けばと
君の寝顔を見ていたら
思わずにはいられない
お気に入りの場所で
日のひかりを浴びて
この場所は 譲れない